治療のポイント
甲状腺機能低下症
橘 敏也
1
1聖路加国際病院内科
pp.58-60
発行日 1969年1月10日
Published Date 1969/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202512
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甲状腺機能低下症の症状と評価
甲状腺機能低下症が進行すると,粘液水腫myxedemaの症状をきたす.すなわち,浮腫,易疲性,全身倦怠,ねむ気,心身にわたる活動性の低下,皮膚・頭髪の荒れ,嗄声,難聴,便秘,膝腱射の減退,筋肉のひきつりなど多彩な症状を呈する.
しかしこれらの症状は非特異的である上に,粘液水腫の患者は,心身の活動性が低下しているために,訴え,表情に乏しいために見のがされやすい.時にはしかしかえって多愁訴性,異常な精神症状のために神経症あるいは精神病と誤られることすらある.
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