今月の表紙
溶血性貧血患者の骨髄中の芽球(2)
日野 志郎
1
1東京逓信病院内科
pp.1105
発行日 1968年9月10日
Published Date 1968/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202375
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前号に示したのと同じ患者の骨髄標本から,少し変わった形の芽球をひろってみたのがこれである.前回は,前骨髄球を指標にして骨髄芽球を求めたのであるが,今度は赤芽球のほうへ類推をおよぼしてみよう.形のうえだけからはなんともいいにくいのだが,病気の性質上赤芽球系の若いものが増えている可能性が大きく,現実にもはっきりそういえる細胞が増えているので,つぎのような解釈が成立つであろう.
図1の中央から左下寄りにある細胞質の塩基好性が強いのは前赤芽球であろう.左上隅に部分的にみえるのは前骨髄球だが,これだけではちょっと判断しにくい.問題になるのは右上の細胞で,前赤芽球よりもまえの段階のものではなかろうか.核構造は骨髄芽球のようでもあるけれども,細胞質は赤芽球系であることを思わせる.ほかのは正赤芽球.
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