病歴のとりかた
内分泌疾患
鎮目 和夫
1
1東大中尾内科
pp.848-850
発行日 1968年7月10日
Published Date 1968/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202293
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ホルモン異常は,全身的な影響をおよぼすもので,内分泌疾患の主訴や初発症状はしばしば全身倦怠感,疲労感,体重減少,月経異常,頭痛などの非特異的な症状であり,また時には筋力低下,筋萎縮,浮腫のような他の種の疾患を思わせるような症状である.したがって内分泌疾患の病歴(アナムネーゼ)をとるにあたっては,患者の訴えや病状の経過を詳細に聞いて,そこから内分泌疾患を疑わせるような資料を得ることが必要である.これは特に軽症例,初期のものの非定型例の診断にあたっては重要で,そうすることにより早期の診断や他医により見逃されていたものの診断が可能になる.一方,内分泌疾患はその異常をきたした内分泌臓器の種類により,さまざまの症状を呈するので,その病歴のとり方についても甲状腺,副腎等々各臓器にしたがって個々に考えなければならない点が多い.しかし,ここでその各々について記すことはかぎられた紙面ではとても不可能なので,ここでは内分泌疾患に共通な問題や,特に注意すべきいくつかの点について病歴のとり方を述べよう.
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