治療のポイント
妊娠と黄疸
浪久 利彦
1
1順大内科
pp.842-843
発行日 1968年7月10日
Published Date 1968/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202291
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血中ビリルビン増加の機序
黄疸は血中ビリルビンの増量によるものであるが,生体におけるビリルビン代謝は次のように説明されている.すなわち赤血球内ヘモグロビンは,網内系で処理されてビリルビンとなり,流血中ではアルブミンと結合しているが,肝類洞に到達すると能動的な移送機構によりアルブミンと解離して肝細胞内にとりこまれ,肝細胞内においてはグルクロン酸抱合をうけて,その大部分は毛細胆管内に排泄される.
したがって,血中ビリルビンの上昇がみられる場合には,4つの機序の関与することが考えられ,第1の機序は,処理すべきヘモグロビンの増加する場合であり,溶血の亢進あるいはshuntビリルビンの増量などがこれに該当する.
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