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日本のパラメディカルスタッフの現状と将来
島内 武文
1
1東北大・病院管理
pp.337-339
発行日 1967年3月10日
Published Date 1967/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201688
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パラメディカルとは
こんにちの医療の特徴の一つは,専門化が進んだ結果医師が行なう医療が看護婦およびパラメディカル職種の協力によることが多くなつたことであろう。医療がそのつどその場で症状の変化に即応して個人的に処置される必要から,その当面の責任者たる医師は医療のあらゆる部面の知識と実際的な技術を要求されてきた。しかし1人の医師に期待できる能力にはおのずから限界があつて,医師のあいだにも一般医と各科の専門医が分かれてきた。このことから医療の機能のなかで医師でなくてもできる仕事は,これをパラメディカルと称される技術者に委任することが有利であることになつた。
パラメディカルとは,医療において主治医の指示や処方にもとづいて診療に協力することを主とする職種である。歴史的にもつとも古く専門化してきたものが薬剤師である。看護婦も医師の指示にもとづいて診療を助けるが,その本来の任務は,診療とは分けて医療の重要な要素とされる看護にあるので,パラメディカルには数えないこととしたい。
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