書評
—佐々木達哉 著—循環器疾患ディベートⅡ
村川 裕二
1
1帝京大学附属溝口病院第四内科
pp.2233
発行日 2018年12月10日
Published Date 2018/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402225950
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
豊富な診療の経験があり,論文を読んで書いて,臨床の風潮の変遷を眺めてきた著者が循環器疾患の「ものの考え方」について思うところを著した本である.テレビや映画で見る裁判風景を「循環器診療のさまざまなテーマ」に当てはめて,原告と被告側がやりとりをするのに似ている.著者は陪審員でもありレポーターでもある.読者は画面を見ている立場として,いずれかの説に共感することもあれば,以前通りの困惑に取り残されたままかもしれない.
普通の著者には書けない.普通の専門家はこの著者ほどしぶとい性格ではないし,全体像を把握できない.著者ほどに自分の頭で考える集中力はなかなかに得がたい.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.