正常値
血中,尿中アミラーゼ値—方法による違い
丹羽 正治
1
1国立小児病院検査科
pp.1092-1093
発行日 1965年7月10日
Published Date 1965/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200920
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酵素の活性値とは
アミラーゼ(AM)の正常値について述べる前に注意すべきことがある。それは「酵素の定量」と便宜的にいうことがあつても,ほかの物質の場合と違つて酵素自体がたとえば何mgあるかを直接表現せずに,ある特定の条件のもとでのはたらきの程度,すなわち活性値を測つていることである。
これは「人の身長をその陰影から推定する」ことに似ている。そのため同一検体の「酵素を定量」しても,測定方法が違つて使う基質や緩衝液の種類や濃度,水素イオン濃度,放置温度や時間などの各種の条件が違えば結果も変動する。また検体中で酵素のはたらきを賦活したり,阻害したりする物質が増減しても活性値は影響されることも一応は考えておく必要がある。そのうえ,活性単位の算出規準も測定方法によつてそれぞれ違つたものが採用されている。
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