ルポ
一開業医から800ベッドへの道—ルポ・川崎病院
水野 肇
pp.76-79
発行日 1965年1月10日
Published Date 1965/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200652
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岡山市に行って,誰でもが,まず気づくのは病院が多いことである。市内の人口はわずか30万人。旭川の清流に沿つたこの街は,天下3大公園の一つ「後楽園」に見られるように,いまだに徳川時代のよい面を残しているが,一方では道幅の広い街路に見られるように近代的な様相の強い街でもある。
ところで,この岡山市内には,十指にあまる高層建築がある。この大半は,実は病院なのである。南からみて,岡山労災病院,岡山大学付属病院,街の中央部に岡山赤十字病院と川崎病院,西の方には,岡山済生会病院,北には国立岡山病院とまさに林立している。これらの病院は,すべて直径1里以内の円内にあつていずれも4百〜5百床の鉄筋のビルディングであるからオドロキだ。岡山市内の一般診療ベッドは人口1万人について130床に近く,日本一で一種の"医療王国"を築いている。
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