特集 関節リウマチ・膠原病—症例で学ぶ診断と治療
関節リウマチ・膠原病を疑う時のアプローチ
神経障害から考える膠原病
坂上 沙央里
1
,
萩野 昇
1
1帝京大学ちば総合医療センター血液・リウマチ内科
pp.2031-2039
発行日 2014年11月10日
Published Date 2014/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200113
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ポイント
◎無菌性髄膜炎はウイルス性であることがほとんどであるが,さまざまな自己免疫疾患に起因することがある.診断においては細菌感染の否定が非常に重要である.
◎全身性エリテマトーデス(SLE)やSjögren症候群に関連した横断性脊髄炎が報告されており,そのなかでも近年では抗aquaporin-4抗体陽性の脊髄炎が一群としてまとめられている.
◎血管炎による末梢神経障害は急性〜亜急性のmononeuropathy multiplexのパターンをとるのが特徴である.電気生理学的検査や神経生検を積極的に考慮する.
◎SLEの中枢神経病変は非常に多彩であり,また感染,ステロイドサイコーシス,可逆性後頭葉白質脳症(PRES),血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)といったほかの病態と密接に関わっていることがある.
◎神経Behçet病は病変の脳幹・小脳への分布が特徴的で,髄液所見は細胞数および蛋白の中等度以上の上昇を示し,しばしばIL-6の著明な上昇を認める.
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