特集 ここが知りたい循環器診療―パールとピットフォール
一般外来でよくみる循環器疾患
【心不全】
慢性心不全の薬物療法(2)―RA系抑制薬とβ遮断薬の使い方
筒井 裕之
1
1北海道大学大学院医学研究科循環病態内科学
pp.1736-1739
発行日 2014年9月10日
Published Date 2014/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107766
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パールとピットフォール
◎重症度にかかわらずすべての収縮不全の患者にACE阻害薬とβ遮断薬を投与する.ACE阻害薬が投与できない場合はARBを用いる.忍容性があるかぎりできるだけ増量する.
◎心不全におけるエビデンスを有し,わが国で使用可能なβ遮断薬はカルベジロール(アーチスト®)とビソプロロール(メインテート®)のみである.
◎ACE阻害薬・ARBともに血圧低下,腎機能悪化,高カリウム血症に注意が必要である.利尿薬併用時には血圧の低下に特に注意が必要であり,体液量管理が重要である.
◎β遮断薬は少量から導入し,患者の状態をみながら徐々に増量していくが,増量に際しては自覚症状,脈拍,血圧,心胸郭比,BNPおよび心エコー図などを参考にし,心不全の増悪,低血圧,徐脈の出現に注意する.
◎拡張不全の生命予後を改善するエビデンスがある薬剤はないが,ACE阻害薬やARBは心不全増悪による入院を減少させる可能性がある.
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