書評
臨床倫理学入門
服部 健司
1
1群馬大学医学哲学・医学倫理学
pp.2127
発行日 2003年12月10日
Published Date 2003/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107443
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医療倫理学が大きな関心を集めるようになってきている.けれども医療倫理学が,いわば刺身のツマでなく,儀礼や訓示としてでもなく,医系教育機関でしっかりと教えられるようになってきたのは,ごくごく最近のことにすぎない.そこで多くのベテラン医療者は,医療倫理学を独学する必要に迫られている.かつて心電図やCT,エコーがそうであったように.
今日,書店の棚には実にたくさんの医療倫理学書が並んでいる.それらの多くは,哲学・倫理学者の手になるものであって,知識や議論の蓄積を伝えることを主眼とした啓蒙教育書であるか,純粋に学問的研究を志向した専門書であるか,いずれかであるといってよい.著者の個人的な医療倫理観を開示しただけのものも散見される.そうしたなかで,本書の特性は明確である.
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