特集 今日から役立つ高血圧診療のノウハウ
扉
土橋 卓也
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1国立病院機構九州医療センター高血圧内科
pp.1321
発行日 2013年8月10日
Published Date 2013/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106920
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高血圧は日本に4,000万人以上いると推定されている最も多い生活習慣病である.日本人の高血圧は昔の「痩せ型高血圧」から現代では「メタボ型高血圧」に変化してきた.すなわち,肥満,糖尿病,脂質異常症,高尿酸血症など代謝異常を合併する高血圧患者が増加し,高血圧治療の本来の目的である心血管病の予防のためには高血圧以外のリスクも含めたTotal risk managementが要求される時代となった.さらに高齢化社会を迎えたわが国において,高齢者高血圧は日々の診療で遭遇する疾患と言える.
われわれは高血圧内科として高血圧の専門診療を提供しているが,患者の58%は65歳以上であり,25%は75歳以上,13%は80歳以上と後期高齢者,超高齢者も少なくない.高齢者は整形外科的疾患など他疾患を合併する頻度が高く,複数の医療機関に通院している者も多い.必然的に内科以外の医師が高血圧の治療を提供していることも少なくない.したがって,高血圧や循環器を専門とする医師はもとより,プライマリ・ケアに従事する医師,かかりつけ医としての役割を有する医師,さらに検診など予防医学に携わる医師にとっても,標準的診療手順を理解しておくことが求められる.
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