特集 いま,内科薬はこう使う
感染症薬
ペニシリン系,βラクタマーゼ阻害薬合剤
高山 義浩
1
1沖縄県立中部病院感染症内科
キーワード:
ペニシリンGカリウム
,
サワシリン
,
ビクシリン
,
ペントシリン
,
オーグメンチン
,
ユナシン-S
,
ゾシン
Keyword:
ペニシリンGカリウム
,
サワシリン
,
ビクシリン
,
ペントシリン
,
オーグメンチン
,
ユナシン-S
,
ゾシン
pp.404-406
発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106477
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1929年にフレミングが発見したペニシリンは,真正細菌の細胞壁の合成を標的として特異的に阻害するβ-ラクタム系抗生物質である.ペニシリンGの実用化は感染症臨床を劇的に変えたが,黄色ブドウ球菌や腸内細菌など,臨床上重要な菌のペニシリンに対する耐性が進行しており,現在では経験的にペニシリンを選択することは難しくなっている.しかし,培養検査でペニシリン感受性であることが確認できた場合には,積極的に変更して使いたい薬剤である.感受性がある菌に対しては,ペニシリンはほかのβラクタム薬にひけをとらない臨床効果を発揮し,その狭域ゆえに腸内細菌叢を破壊しにくいなど,宿主に優しい薬剤として活用できる.
ペニシリンに共通する注意点として,わが国の保険用量によらず十分な量を投与し,時間依存性の抗菌薬であるので,適切な投与間隔を守るべきことがある.
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