連載 演習・循環器診療・9
体液貯留・低ナトリウム血症の管理に難渋した虚血性心筋症の1例
今井 靖
1
,
稲島 司
1
1東京大学医学部附属病院循環器内科
pp.338-342
発行日 2012年2月10日
Published Date 2012/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402105808
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症例
64歳の男性.
現病歴 1989年10月(42歳)急性心筋梗塞(下壁)を発症,保存的に対処された.2005年10月(58歳)より狭心症症状出現,2006年1月当院を受診し,心臓カテーテル検査を施行.#1 100%,#7 100%,#12 75%と2枝完全閉塞を伴う3枝病変であり,かつ陳旧性心筋梗塞・低心機能であることから冠動脈バイパス術,左室縮小形成術,僧帽弁形成術を施行.2009年4月心不全,持続性心室頻拍のため入院.左脚ブロックを伴うNYHA III-IVの心不全であり,CRT-D(両心室ペーシング機能付植込み型除細動器)を植え込み.一時的に運動耐容能改善を認めたが,その後も心不全入院を繰り返すこととなり,2010年5月,11月,2011年3月,5月と合計4回心不全で入院し,利尿薬・ドブタミン投与で対応されていた.
今回,再び飲水・食事制限が守れず体重が7kg増加し(退院時55.8kg→62.8kg),呼吸困難を呈したため2011年6月24日当科入院となった.
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