連載 アレルギー膠原病科×呼吸器内科合同カンファレンス・6
関節リウマチ患者の胸水―自己免疫は膠原病から?呼吸器疾患から? それとも?
岡田 正人
1
,
仁多 寅彦
2
1聖路加国際病院アレルギー膠原病科(成人・小児)
2聖路加国際病院呼吸器内科
pp.1674-1677
発行日 2010年9月10日
Published Date 2010/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104629
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後期研修医(アレルギー膠原病科) 今回は,関節リウマチに胸水を合併した患者さんですが,胸水の診断に関して意見が分かれた症例です.
20年前から関節リウマチに罹患している67歳の女性です.当院に紹介受診となった3年前からは,サラゾスルファピリジンにメトトレキサートを追加し低疾患活動性(DAS28 2.9)のコントロールでした.しかし,お茶の先生で足首が痛いと正座ができないので困るとのことで,1年半前からインフリキシマブを開始され,その後は寛解状態を保たれておりました.今回の入院8週間前に左冠動脈前下行枝の急性心筋梗塞で循環器内科に入院しステントを留置されています.入院4週間前に38.3℃の発熱,咽頭痛,左胸部に“チクチク感”があり外来を受診されましたが,胸部X線,心電図検査では前回退院時と変化なく,上気道炎の診断でアセトアミノフェンを処方され解熱し症状もいったんは改善しています.しかし,入院1週間前に再度発熱37.8℃,左胸部のチクチク感,軽度の咳嗽が出現したため外来を受診なさり,胸部X線にて胸水貯留を認め入院となっています.
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