書評
―工藤翔二 監修 木田厚瑞,久保惠嗣,木村 弘 編―チーム医療のための呼吸ケアハンドブック
貫和 敏博
1,2
1東北大・呼吸器病態学
2日本呼吸器学会
pp.1452
発行日 2010年8月10日
Published Date 2010/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104593
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「呼吸ケア」という言葉が取り上げられてすでに10年以上が経過するが,この度「チーム医療のための」という読者対象と,日常臨床ですぐ参照しうるという意味の「ハンドブック」の体裁をなす本書が上梓された.
呼吸ケアという医療は,現代社会,ことにタバコが税収維持のための課税対象品という時代錯誤的状況が改善されない中で,呼吸器関連医療スタッフが正面から向き合う必要性のある領域である.肺はゲノム(遺伝的)背景,環境,習慣の上に種々の病態が形成され,加えて加齢に伴い進行する.高齢化社会日本で今後数十年間,呼吸ケアが重要な課題になることは,工藤翔二氏による序論にもある通り,重く受け止める必要がある.
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