今月の主題 ズバリ! 見えてくる不整脈
不整脈診断 ここでつまずく
wide QRS tachycardiaに歯がたたない
須山 和弘
1
1国立循環器病センター心臓血管内科
pp.47-50
発行日 2010年1月10日
Published Date 2010/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104265
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wide QRS tachycardiaを診断する前に
wide QRS tachycardia(WQRST)は診断名ではないが,確定診断がつくまで,QRS幅が広い(一般的にQRS幅120ms以上)頻拍を総称してこう呼んでいる.WQRSTには,心室頻拍(ventricular tachycardia:VT),上室性不整脈の変行伝導,顕性WPW症候群に生じた心房細動/心房粗動など多彩な不整脈が含まれる.的確に診断することが重要であるが,多彩な不整脈が含まれるために,診断に苦慮する場合も少なくない1).
WQRSTが認められたら,まずは血行動態,自覚症状の程度および意識状態を確認することが第一である.さらに,直流除細動器をいつでも使用できるようにスタンバイさせることが重要である.薬物治療を施行する場合でも,血行動態が破綻した場合に備えて直流除細動器を用意しておくことが必要である.
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