今月の主題 ズバリ! 見えてくる不整脈
不整脈診断 ここでつまずく
心房粗動と心房頻拍は他人か?
古嶋 博司
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科循環器分野
pp.39-43
発行日 2010年1月10日
Published Date 2010/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104264
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心房粗動と心房頻拍.それぞれにどのようなイメージをもっておられるだろうか.おそらく図1aの頻拍は何かという質問に,ほとんどの方が心房粗動と答えるだろうし,図1bを見れば心房頻拍(いわゆるPAT:paroxysmal atrial tachycardia)と診断する方が多いだろう.つまり,図1a,1bそれぞれが心房粗動,心房頻拍の教科書的な例として挙げられているからである.しかし,電気生理学の発展により頻拍の発生あるいは解剖学的機序が解明されてくるにつれ,○○型心房粗動,××性心房頻拍などさまざまな呼び名が生まれた.その結果,混乱を招くこともしばしばである.本稿では心房粗動および心房頻拍の呼び名についての歴史的背景または現時点での考え方などを説明し,頭を整理できたらと期待する.
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