特集 CT・MRIアトラス Update―正常解剖と読影のポイント
胸部
各論
胸膜
負門 克典
1
1聖路加国際病院放射線科
pp.196-202
発行日 2009年11月30日
Published Date 2009/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104182
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
正常解剖と画像
●正常解剖
胸膜は薄い漿膜で,肺を覆う臓側胸膜と胸壁内面・縦隔・横隔膜を覆う壁側胸膜の2つからなり,両者は肺門を介して連続的に移行している.胸膜で囲まれたスペースが胸腔であり,内部に肺を格納する.正常の状態では,臓側胸膜で覆われた肺が入り込めない閉鎖腔が肋骨横隔膜陥凹(costodiaphragmatic recess)尾側に存在しており,同部では壁側胸膜同士が接することになる.胸部単純X線撮影で認識される肋骨横隔膜角とは肺下端に対応しており,胸腔は閉鎖腔としてさらにその下方まで伸びていることを忘れてはならない.
肺門下部では臓側胸膜と壁側胸膜が飜転して肺靱帯が形成されており,これにより肺下葉は縦隔側に固定されている.前後方向に2枚の胸膜が存在する索状の狭い間隙にはリンパ組織(肺癌取扱い規約の#9肺靱帯リンパ節)と結合織がはさまっている.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.