書評
内科医のためのうつ病診療―第2版
久保木 富房
1
1東大・心身医学
pp.1855
発行日 2009年11月10日
Published Date 2009/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104156
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高い評価を受けていたうつ病診療入門書『内科医のためのうつ病診療』(野村総一郎著)が10年ぶりに改訂された.野村氏は現在日本うつ病学会の理事長としてうつ病の研究,臨床,教育に専念している.国内だけでなく国際的にも広く活躍中の研究者であり精神科医である.筆者は心療内科を専門としていることもあり多くの精神科医との交流を持っている.信頼できる精神科医として,さらに友人として20年近くの付き合いがある.
本書は内科医はもちろん,うつ病診療にかかわるすべての医療職,心理職,企業関係者,家族にとって分かりやすい入門書といえる.著者は,うつ病診療の最大のポイントは「うつ病の概念を理解することである」と述べ,非専門医にとって分かりやすさ,実用性を第一主義の目的として本書を世に出している.本書を精読してみると,分かりやすさや実用性だけでなく,広範な内容に十分深い検討が加えられていることがわかる.まさに,この一冊でうつ病がわかる専門書ともいえる.
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