連載 市中感染症診療の思考プロセス IDATEN感染症セミナーより・5
皮膚・軟部組織感染症のマネジメント
大曲 貴夫
1
1静岡がんセンター 感染症科
pp.1538-1546
発行日 2008年8月10日
Published Date 2008/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103493
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ケース 下腿皮膚の腫脹・熱感で来院した76歳男性
現病歴 インスリン治療を行っている糖尿病のある76歳の男性が1週間前に右下腿を打撲し,その後3日前から発赤,腫脹・熱感を伴う下腿の皮膚感染を訴え救急外来を受診した.患部は発赤著明で圧痛があった.悪寒戦慄を伴う発熱はなかった.薬物アレルギーはない.
身体所見 体温37.2℃,心拍数90,呼吸数20,血圧146/60.全身状態:あまりきつそうではない.頭目耳鼻喉:特に問題なし.頸部:問題なし.心臓:I・II音正常,雑音なし.胸部:肺胞呼吸音.腹部:肥満・軟,腫瘤なし.四肢:右下腿部にかけて径5cm程度の範囲で腫脹した紅斑を伴う皮疹.リンパ節:触知せず.
検査データ 白血球9,200/μl(50%好中球,42%桿状球,7%リンパ球,1%単球).創からの浸出液:少ない.
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