連載 内科医が知っておきたいメンタルヘルスプロブレムへの対応・7
やたらと病気を気にする人―心気症
中尾 睦宏
1
1帝京大学医学部衛生学公衆衛生学・心療内科
pp.1424-1427
発行日 2007年7月10日
Published Date 2007/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102861
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病気を非常に心配する人がいる一方で,全く無頓着な人もいる.この違いはどこからくるのであろうか?ちまたには健康情報があふれ,例えばテレビで「本当は恐ろしい胸痛」などの特集番組があると,次の週の心療内科外来には「私は胸痛があるのですが大丈夫でしょうか?」と困惑しつくした顔で受診する患者がいる.「先週はこの患者は腹痛を訴えていたのに変だな?」と内心思いながら診療に当たる.もちろん胸痛の背景には重大な内科疾患が潜む可能性があるので決して油断をしてはいけないのであるが,さまざまな身体愁訴を訴え,検査に異常がないといくら説明しても病気ではないかと心配する.そうした患者はもしかすると心気症なのかもしれない.
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