Japanese
English
連載 「継往開来」操作的診断の中で見失われがちな,大切な疾病概念や症状の再評価シリーズ
ヒポコンドリー(心気症)
Hypochondria
中村 敬
1
Kei NAKAMURA
1
1東京慈恵会医科大学附属第三病院精神神経科・森田療法センター
1Department of Psychiatry & Center for Morita Therapy, The Jikei University Daisan Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
Hypochondria
,
Hypochondriasis
,
Hypochondriacal disorder
,
Somatic symptom disorder
,
Illness anxiety disorder
Keyword:
Hypochondria
,
Hypochondriasis
,
Hypochondriacal disorder
,
Somatic symptom disorder
,
Illness anxiety disorder
pp.1107-1110
発行日 2013年11月15日
Published Date 2013/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102603
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はじめに
ヒポコンドリー〔hypochondria(sis)(英),Hypochondrie(独)〕は,古くから精神医学における重要な臨床概念であり,今日まで心気症という訳語のもとに身体表現性障害の1型に位置付けられてきた。けれども今年刊行されたDSM-5では,身体表現性障害というカテゴリー名とともに心気症という診断名が廃止されたことから,新しい世代の精神科医は,早晩この概念に馴染みをなくしていくことが予見される。
本稿ではヒポコンドリー(心気症)の歴史,精神病理学および治療論を手短に振り返り,診断概念が風化する前に,その臨床的意義を銘記しておくことにしたい。
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