column
他山の医師
橋本 直明
1
1東京逓信病院消化器科
pp.616-617
発行日 2003年11月30日
Published Date 2003/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102460
- 有料閲覧
- 文献概要
「もっと触って」「ズボンをぬがせて」.これは,今春他界された上野幸久先生の著書『先生もっとよく診てお話しを!』のなかの一節である1).先生は問診と診察とを殊のほか大切にされ,著書のほか,本誌にも寄稿されておられる2).患者様のお話をよく伺い,身体所見をきちんと取ることは,診療の基本のはずなのだが,多忙で雑然とした日々の診療では,ともすればこのことが守られなくなる.以下の稿は筆者の失敗の記録である.不十分な問診に加えて,診察を省略しようとして,危うく誤診の落とし穴にはまるところだった.若い先生方に,他山の石(医師?)にしていただければ幸いである.(お三方で分担して音読して下さるのも一法です.)
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.