今月の主題 消化器疾患のエビデンスとエキスパート・オピニオン
食道・胃疾患
H. pylori除菌と胃食道逆流症
工藤 欣邦
1,2
,
児玉 礼二
3
,
藤岡 利生
2
1医療法人大分厚生会川崎内科
2大分医科大学総合診療部
3医療法人友和会医大前クリニック
pp.1486-1489
発行日 2003年9月10日
Published Date 2003/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102189
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
・H. pylori除菌後の胃食道逆流症(GERD)発生の問題については,現時点では,H. pylori除菌後に「GERDが誘発されやすい」というより「誘発される患者が存在する」という表現が妥当である.
・H. pylori除菌後のGERDは,逆流に対する防御機能が低下した患者が,除菌により胃酸分泌能が回復したことにより,潜在していたGERDが顕在化したものと考えられる.
・除菌後のGERD発生の問題や除菌前に併存するGERDの存在は,H. pylori陽性潰瘍患者に対する除菌治療の妨げにはならない.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.