特集 臨床医必携 単純X線写真の読み方・使い方
骨格系
軟部組織疾患―CT,MRIといかに組み合わせるか
青木 隆敏
1
,
川波 哲
1
,
興梠 征典
1
1産業医科大学放射線科
pp.346-352
発行日 2004年11月30日
Published Date 2004/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101225
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典型的な症例
20歳代の女性.頸部単純X線側面像で,後頸部の軟部組織に種々の大きさの円形ないしリング状の石灰化が認められる(a).MRIT2強調横断像では頸椎の背側~左側に著明な高信号を示す腫瘤(矢頭)がみられ,腫瘤内部には単純X線写真での石灰化に相当する円形低信号(矢印)が認められる(b).
この症例の単純X線写真で認められる円形やリング状の石灰化は静脈石であり,拡張した血管腔内の石灰化した血栓を示す.深在性の血管腫を単純X線写真で指摘することは困難なことが多いが,本例のように複数の集簇する静脈石を捉えることができれば,単純X線写真のみで特異的診断が可能である.
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