演習・小児外来 (新連載)
〔Case1〕心雑音が聴取された生後1カ月の乳児
賀藤 均
1
1東京大学医学部附属病院小児科
pp.868-874
発行日 2004年5月10日
Published Date 2004/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100815
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症 例:日齢32日の男児.
主 訴:心雑音.
現病歴:在胎39週5日で出生し,アプガースコアは9点(1分),10点(5分)で,出生時体重は3,210gだった.母乳栄養のみのため,1回哺乳量は不明だが,休み休みの哺乳で,片側の母乳を吸うのに約30分程度かかっているという.泣き声が他の赤ちゃんに比べて,小さいとは親は思っていたが,いつも不機嫌に泣いていることが多いので,声がかすれているのだろうと思っていたという.1カ月健診での体重は3,770gで,心雑音が聴取されたため,当科心臓外来を紹介された.
身体所見:呼吸音正常,呼吸数約70回/分,吸気時に肋間の陥没をみる.心臓聴診では,胸骨左縁第3~4肋間に最強点をもつ全収縮期雑音がLevine2/6度聴取され,心拍数はほぼ130回/分だった.心音の異常は気がつかれない.肝臓は2横指触知するが,硬さは弾性硬.四肢近位部は細い.大腿動脈の触れは正常である.その他の理学的異常所見はない.
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