演習・小児外来
〔Case12〕哺乳後にチアノーゼがみられた生後1カ月の乳児 〔Case13〕微熱,眼周囲・口囲の発赤を認めた2歳5カ月男児
百々 秀心
1
,
生井 良幸
2
1国立成育医療センター循環器科
2太田西ノ内病院小児科
pp.158-161
発行日 2005年1月10日
Published Date 2005/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100446
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症 例:1カ月,乳児.
主 訴:哺乳時のチアノーゼ.
現病歴:在胎39週で出生し,Apgarスコアは10(1分),10(5分)で出生体重3,000gだった.通常の経過で産科より退院後,1週間くらいしてから哺乳後に唇の色が黒紫色になることがしばしば認められた.母乳栄養であったため,児の両膝を曲げるような姿勢で抱きかかえるようにしていると色の改善が認められた.1カ月健診受診時に心雑音が聴取され心臓外来に紹介された.
身体所見:体重3,500g,呼吸回数約40回/分,心拍数約130回/分,room airでの経皮的酸素飽和度は90%であった.顔貌は特に異常は認められなかった.唇および四肢末端の色は正常で紫色ではなかった.手足の指先の形は正常で変形はみられなかった.胸部の触診で右室の拍動を強く胸骨左縁下部および剣状突起のすぐ下に触れた.聴診所見は,過剰心音は認められなかったが,Ⅱ音は亢進して単一に聞こえた.また胸骨左縁第3~4肋間にLevine 3/6度の比較的周波数の高い収縮中期雑音が聴取された.腹部触診では肝臓,脾臓は触知されなかった.末梢の脈拍および大腿動脈は正常に触知され,特にbounding pulseではなかった.図1に胸部X線写真を示す.
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