医療事故を防ぐ! 対策を絵に描いた餅としないために 4
マニュアルは絵に書いた餅?―手技マニュアルの有用性,手技のライセンス化
本村 和久
1
1王子生協病院 内科
pp.682-684
発行日 2006年4月10日
Published Date 2006/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100606
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教育の重要性
気管内挿管,胸腔ドレーン挿入などの侵襲的な手技が患者さんの命を救うことは多いが,未熟な研修医が手技を行えば,事故が起こる可能性は当然高くなる.しかし,やらないことには手技は上達しない.最初から名医はいない.
研修医が手技を行う場合でも,確実に安全は確保されなければならないし,患者さんの負担も最小限に抑える環境が整っていなければならない.研修施設は,患者さんを実験台とする病院であってはならず,むしろ,患者さんの安全を確保するために,たゆみない努力を続けている病院でなければならない.国の内外を見渡しても,臨床で優れた評価を得ている病院は研修病院であることが多い.米国のマサチューセッツ総合病院はその好例であるが,十分な研修医教育を行うと同時に安全管理も徹底して行い,優れた質の医療を提供している.研修病院であることは,逆に言えば常に「医療安全」に熱心な病院ということでもある.手技一つをとっても,適切な方法で安全に行われるような条件を確保していなければならない.
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