危険がいっぱい―ケーススタディ・医療事故と研修医教育 第6回
胸痛をきたした黒人男性
田中 まゆみ
1
1聖路加国際病院内科
pp.1084-1088
発行日 2005年6月10日
Published Date 2005/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100205
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今回の症例は,高速道路を運転中,突然胸痛で失神しそうになり,救急車で来院した48歳の黒人男性である.
アリス(司会役) 本日の症例は,胸痛発作の48歳男性,アフリカ系アメリカ人(注1)です.
ベティ(症例提示役) 生来健康な48歳の黒人男性が,突然の胸痛で救急車で来院しました.フィラデルフィアからボストンの親戚を訪問するために高速道路を運転中,突然胸痛で失神しそうになり,車を退避帯に停めてしばらく休んでいると痛みは和らいだのですが,運転を続けるのが怖くなりSOSサインを出して,止まってくれた善意の通行車から救急車に連絡を取ってもらい来院しました.救急車でのバイタルは,意識清明GCS15,脈拍114/分,呼吸数24/分,血圧122/68,酸素飽和度94%でした.
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