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今月の事例 北海道名寄保健所
名寄保健所における特定疾患への取り組み
粟井 是臣
1
,
高野 正子
2
1北海道名寄保健所
2大阪府四条畷保健所
pp.702-703
発行日 2001年9月15日
Published Date 2001/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902999
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現在の難病対策は生活の質の向上を目指した福祉施策の推進が加えられ,地域においては各種事業が展開されているところである.これまでも当所においては,特定疾患治療研究事業の申請に関する相談や保健婦による訪問療養相談および患者家族交流会,学習会などを通じて在宅療養支援を図ってきたが,公的介護保険制度の導入に伴い,当所の難病支援・対策も若干の転換を行った.一般に保健所や保健婦においてはパーキンソン病などのいわゆる神経難病を中心に特定疾患へのケアマネジメントに関するノウハウの蓄積がある.当所においては介護保険制度が実施される前年の平成11年に難病支援の重点項目を大きく二つに絞った.一つは公的介護保険制度実施以後も患者・家族のニードに対応した適切なケアが展開されるに資すること.もう一つは患者・家族のQOLや生活の楽しみが向上するサービスを構築していくことである.平成11年度末に介護保険にかかわる保健所管内の保健・医療・福祉担当者を対象に介護保険制度実施以後の保健所の取り組み方針への理解を得ることを目的に会議を開催した.要介護認定において該当になった特定疾患を有するケースのケア会議に保健所保健婦が積極的に参加をする.必要に応じて保健所に蓄積されている保健情報を適切に提供する.特定疾患にかかわる訪問相談やケースアセスメントを含めた情報や支援ノウハウをケアプラン作成の際に介護支援専門員が活用できることなどの周知を図った.
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