特集 依存症の公衆衛生
薬物依存症への対応—世界的な流れ
黒田 研二
1
1大阪府立大学社会福祉学部
pp.106-112
発行日 1999年2月15日
Published Date 1999/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902030
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依存症はタバコ(ニコチン),アルコール,有機溶剤,各種薬物など様々な物質によって生じうるが,いずれも健康に大きなリスクをもたらすものであり,その予防が公衆衛生分野でも重要な課題になっている.生徒や一般の人々に対する健康教育を通じた啓発,行動科学的アプローチによる治療,セルフヘルプ・グループを中心に取り組まれているリハビリテーションなど様々な取り組みが発展しつつある.こうした有害物質への依存は単に法的規制だけでは解決できない課題を内包しており,より効果的な予防法の開発が求められている.
おりしも警察庁は,昨年1月にわが国が「第3次覚せい剤乱用期」に入ったと発表しており,本稿では,薬物依存に焦点を当てながら「依存症」の予防のあり方を考えてみよう.
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