特集 成人病から生活習慣病へ
「生活習慣病」でよいのか—臨床医学の立場から—肥満・肥満症を中心に
池田 義雄
1
1東京慈恵会医科大学健康医学センター健康医学科
pp.99-101
発行日 1998年2月15日
Published Date 1998/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901832
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時代の変化とともに疾病構造に移行のみられることは,よく知られているところである.わが国においては,昭和20年代までは食物供給量の不足と劣悪な環境が,多くの感染症を蔓延させていた.その主要な疾患は結核であり,厚生行政もこれへの対策に多くの努力を払ってきた.
時代の推移は結核を過去のものとし,疾病構造は感染症時代から非感染症時代へと推移し,ここに行政の造語として「成人病」が登場した.以後平成8年度まで,わが国の保健医療の主要なターゲットは成人病に置かれ,癌,脳卒中,心臓病への脅威に対する早期発見,治療,リハビリテーションが広くすすめられてきた.
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