病気のはなし
肥満症―肥満の見かたと肥満症の診断
池田 義雄
1
1タニタ体重科学研究所
pp.588-595
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101448
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新しい知見
中高年における肥満の頻度が20%を超える現在,若い世代からの体重管理が厳しく問われるところである.エネルギー摂取の過剰と運動不足は肥満を招き,糖尿病などの健康障害を加速させる.安易な生活の代償がいかに高くつくか,肥満臨床の立場から,肥満の見かたと病気としての肥満,すなわち肥満症の診断についての新しい知見を取りまとめる.
まず肥満を量的に捉えるための手段は,国際的に統一されているBMI(body mass index,体格指数)による.わが国では25以上が肥満と判定される.肥満は各種疾患のリスクとなることから予防に主眼が置かれる.肥満に伴ってみられるリスクは多くの生活習慣病と密接である.特に高血圧,糖尿病,高脂血症に関しては肥満との関係が密接でありこれらの健康障害が1つ以上認められた状態は医学的に減量すべき病態として肥満症と診断される.中でも内臓脂肪型肥満については肥満症を診断する上での重要なポイントであることを示した.
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