報告
女性とエイズ
兵藤 智佳
1
1東京大学大学院教育学研究科
pp.828-830
発行日 1996年11月15日
Published Date 1996/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901598
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現在,世界のエイズの問題は同性間よりも異性間の性行為による感染が深刻化している.とくに,東南アジア,アフリカなど感染者の数が近年急激に増加している地域では女性のHIV感染の割合が増えつつあり,その対策が急務である.
「女性とエイズ」という議論の中では「Commercial Sex Workers(売春婦,以下CSW)」の感染に関する議論が積極的に行われてきた歴史的な経緯があるが,現在,女性のHIV感染は夫や恋人といった特定のパートナーからの感染が主となりつつある.世界各地ですでにエイズは「一般の家庭」の中に存在している.エイズは不特定多数の人と性行為を行う女性だけの問題ではない.それは性行為を行うすべての女性の問題である.
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