連載 疾病対策の構造
地方衛生研究所の未来(1)—疾病対策から考える
倉科 周介
1
1東京都立衛生研究所
pp.573-575
発行日 1996年8月15日
Published Date 1996/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901534
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
疾病対策の将来の見通しはいまいくぶん不透明になっている.米国でも公衆衛生の未来について悲観的な予測が語られたばかりである1).その底流にあるのは,明快な理念,適切な到達目標,有効な課題解決手段などの不在に伴う,ある種の喪失感や無力感のように思われる.それはむしろ,平均寿命が延長し,大状況のレベルで健康水準が着実に向上した結果なのかもしれない.疾病対策の不確定性の時期に,地方衛生研究所が果たし得る,また果たすべき役割について,考えてみたい.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.