特集 マルチメディアの保健活動への活用を考える
保健・医療・福祉の連携とマルチメディアへのアプローチ—岩手東和町の事例から
小川 晃子
1,2,3
,
橋爪 泰夫
4
1株式会社CRC総合研究所総合研究センター生活文化研究室
2東京女子医科大学
3共立女子短期大学
4株式会社CRC総合研究所総合研究センター情報化計画研究室
pp.326-329
発行日 1996年5月15日
Published Date 1996/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901475
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保健・医療・福祉の連携上の問題点と課題
わが国においては,在宅高齢者に対する保健・福祉・医療の一体化による包括サービスのシステム化が課題となっている.周知の通り,平成2年の福祉関係八法改正や,平成6年の地域保健法の制定などの制度的改変を経て,先進的な自治体においては,保健部局と福祉部局の統合や,地域福祉センターと保健センターの有機的連携が図られてきている.しかし,大部分の自治体においては従来の縦割り組織のなかで,いかに保健・医療・福祉の連携を図り,包括サービスのシステム化を図るかが大きな課題となっている.
当社が,財団法人地域活性センターとともにここ数年受託している「長寿社会づくりソフト事業」でも,市町村それぞれの地域性にあわせた「保健・医療・福祉連携強化策に関する調査研究」がテーマとなっている.連携策を調査しようとする動機は様々であろうが,当社受託調査の経験からみると,保健・医療・福祉を統合した施設構想が多い.また保健・医療・福祉の情報システム化を手段とするものが多い.その一つであり先進的事例である岩手県東和町もまた,施設構想を動機とし,情報システム化を手段として,保健・医療・福祉の連携・統合化を進められている.ここでは,東和町の事例を中心に紹介し,マルチメディアへのアプローチについて記述したい.
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