特集 現代の予防接種—その意義と課題
予防接種の意義と今日の展開
小池 麒一郎
1
1日本医師会
pp.516-518
発行日 1995年8月15日
Published Date 1995/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901314
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はじめに
昭和23年に予防接種法が制定され,義務として実施されてきたが,昭和51年に罰則規定が廃止となり,健康被害救済制度が導入された.敗戦後,社会経済が混乱し,衛生状況や栄養状態も悪く,多くの伝染病が流行していたが,接種義務を課した集団方式による予防接種は社会防衛としてきわめて有効であった.
これは,1960年ソ連の生ワクチン導入により,年間5,500名に達していた患者の発生が直ちに激減したこと,年間10万人もの発病があり1万人に及ぶ死者を出した百日咳が,現在では1,000名を割る発生状況で死亡者が数名ということからも立証されている.
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