連載 地域口腔保健—歯科医師会の実践
神奈川県歯科医師会の産業歯科保健活動
橋本 弘
1
1神奈川県歯科医師会
pp.56-57
発行日 1995年1月15日
Published Date 1995/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901187
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はじめに
昭和58年4月に神奈川県歯科医師会公衆衛生委員会の中に産業歯科保健活動が取り入れられてから,神奈川労働基準局,神奈川安全衛生協会(現神奈川労務安全衛生協会),神奈川県歯科医師会の三者による協議会「産業歯科に関る協議会」がもたれた.
昭和59年にこの三者の協力により,神奈川県下の企業の歯科保健活動状況実態調査をアンケート形式で実施した.その結果1,511事業所から回答が寄せられて,8.8%の事業所が歯の定期健診を実施していることが分かった.定期健診は労働安全衛生規則で年1回以上行うことを雇用主に義務付けており,胸部X線検査,血圧測定,肝機能検査等10項目が対象となっているが,歯の健診は対象外であるため,このような低い結果となったと考えられ,某電気メーカーをモデル事業所と定めて,集団健診と健康教育事業を3年間にわたって実施した.その結果10%の緊急処置を必要とする者があることや,加齢的に歯肉疾患の罹患状況が確認され,産業歯科保健活動の重要性を確認した(図1).
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