特集 行動医学へのアプローチ
生活行動と健康—高齢者と健康管理
中西 範幸
1
1大阪大学医学部公衆衛生学教室
pp.262-265
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901014
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◆はじめに
日本人の平均寿命は平成3年度には男76.1歳,女82.1歳に達している.長寿社会は多様な健康状態の高齢者を包摂し,多くの機能や資源を必要とする.人生80年時代をいかに健康で生きがいを持ち,明るい活力のあるものとするかは,高齢者対策における最優先課題となっている.
老後におけるQOL(生命・生活・人生の質)の保障のためには,個々のライフ・スタイルに即した疾病予防・健康づくりの推進,地域における医療・福祉の供給体制の効率的な整備,そして保健と医療・福祉の事業が互いに連動した有機的なチーム・ケア・アプローチは不可欠の要件である.本研究は,高齢者の健康の保持・増進に関連する要因を明らかにすることを目的として,地域の中で生活する65歳以上の高齢者を対象に調査・分析を行ったものである.今回はとくに保健事業にかかわる健康管理,健康に対する行動様式が高齢者の健康状態に及ぼす影響について検討を行った.
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