特集 行動医学へのアプローチ
行動医学—日本行動医学会(JSBM)の発足を背景に
荒記 俊一
1
1東京大学医学部公衆衛生学
pp.235-237
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901007
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◆はじめに
「行動医学(Behavioral Medicine)」は,臨床諸科学,心理社会行動科学・基礎医学および公衆衛生・予防医学にまたがる学際的で新しい専門学術である.「国際行動医学会(International Society of Behavioral Medicine)」の憲章(1993年改訂)によると,健康と疾病に関する心理・社会学的,行動科学的および医学生物学的研究を進め,これらを統合のうえ,疾病の予防,病因の解明,診断,治療およびリハビリテーションに適用することを目的とする学際的学術と定義される.
行動医学の研究領域は,行動機序の生物学的な解明から,臨床診断と治療,さらに疾病予防と健康増進にまで及んでおり,公衆衛生がこの学術の今後の発展に果たす役割が期待されている.
本特集では,本誌の行動科学に関する前回の特集1)に続いて,その後設立された「日本行動医学会(Japanese Society of Behavioral Medicine,以下JSBMと省略)」の第1回学術総会のシンポジウムより,いくつかの論文が報告される.本稿では,その背景をなすJSBMの設立過程と活動状況を国際行動医学会との関係を含めて紹介する.
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