疾病対策の構造
(1)地域保健の基盤構造
倉科 周介
1
1東京都立衛生研究所
pp.126-131
発行日 1994年2月15日
Published Date 1994/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900977
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昔から病気はいつも人生の迷惑きわまる道連れだった.それは人々から生きられるはずの時間を無差別に奪って,“早すぎる死(premature death)”を量産してきた.平均的な人生の長さが50年だったのはさほど遠い過去のことではない.だが,いまや日本は世界で最長寿の国の一つになった.われわれの日常生活に落ちる病気の影は,いつしか薄らいでいたのである.どうしてそれは達成されたのか.医学の果たした役割も含めて,改めて疾病対策,特に地域保健の概念を考え直してみよう.
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