連載 地域精神保健の展開—精神保健センターの活動から・1【新連載】
地域精神保健の展開—連載にあたって—センターの虚像と実体
渡嘉敷 暁
1,2
,
瀧 誠
3,4
1埼玉県立精神保健総合センター地域保健局
2埼玉県立精神保健総合センター診療局
3埼玉県立精神保健総合センター技術協力課
4埼玉県立精神保健総合センター精神科
pp.54-60
発行日 1994年1月15日
Published Date 1994/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900960
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精神保健センターが各都道府県に1カ所あることは,かなり知られるようになった.しかし,その活動内容となると,残念ながらあまり知られていない.その理由としては,様々なことが挙げられる.治療機関でもなく社会復帰施設でもない.しかし,多くのセンターでは,その一部は行っている.そればかりでなく,相談と称する直接サービスも行っている.さらに,保健所等への技術協力,様々な職種を対象としての研修や精神保健の広報普及としての講演会や小冊子の発行,家族会や断酒会等の育成も仕事となっている.要するに一言では言い切れない業務を課せられていて,医療機関とか社会復帰施設とか保健所に類似したものとか,既成の概念に合わないのである.蝙蝠(こうもり)を鳥か獣かと議論するに等しい.類似の業務をしている機関が日本には他にないことも推測を妨げている.
さらに,センターが精神保健の技術的中核機関というのも,分かり難くしている大きな理由であろう.
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