特集 地域保健をどうすすめるか—保健所長はこう主張する
健康教育・健康相談における連携
村田 明
1,2
Akira MURATA
1,2
1次城県笠間保健所
2日立保健所
pp.709-713
発行日 1993年10月15日
Published Date 1993/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900898
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■はじめに
超高齢化社会の保健ニーズに十分対応できる市町村,保健所の地域保健の体制はどうあるべきか,目標と役割分担,連携はどうあるべきか,平成3年6月に地域保健将来構想報告書においてその方向性が示され,身近な対人保健サービスは市町村で実施すべきとし,その前提として,昭和57年度から実施された老人保健事業等が地域住民により身近なサービス体系として定着してきていることをあげている.
高齢化社会の到来は,高齢三失,すなわち健康を失う・職を失う・知己を失う,といわれる.高齢者が知己(友),健康を失うことは死と直結する深刻な状態におかれることであり,これに十分対応できるシステムの確立が必要である.筆者は,長年老人ホーム入所判定委員として老人福祉対策に関わってきたが,長期間の入所待機者が多く,本人家族とも実に厳しい在宅生活を余儀なくされている.現在のわが国の老後は必ずしも安心して送れる状況にはなっていない.
最近は,働き盛りの勤労者の過労死問題,また労働省・厚生省の健康状況,保健福祉動向調査によると労働者の半数が精神的疾病とストレスとを感じていると報告している.
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