特集 健康な住宅
現在の住宅とダニ—健康住宅を目指して
吉田 政弘
1
Masahiro YOSHIDA
1
1大阪府立公衆衛生研究所
pp.321-324
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900570
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◆はじめに
私たちが生活している環境は,近年著しく変化してきている.都市部におけるほどその変化は顕著になっている.農耕地や山野が宅地や用地に変わり,道路の整備や下水道の普及が進み,そのような環境で発生していた生物が少なくなって来ている.たとえば,日本脳炎を媒介する水田のような広い水域で多発するコガタアカイエカが減少するにつれ,患者の発生が誠少している.このような家の外の環境の変化と,住居自体の建築構造の変化にも著しいものがある.従来の開放型の住宅から密閉型住宅への移行に表れている.さらに最近では,省エネの必要性から高気密,高断熱の住宅の開発が思考されている.このような人の生活する内,外の環境の変化に加え,核家族,共稼ぎ家族の増加にもみられるように,人そのものの生活スタイルも変わってきていると思われる.
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