特集 廃棄物処理—公衆衛生の課題
伊達市におけるごみ処理有料化について
加藤 政憲
1
Masanori KATO
1
1北海道伊達市市民部清掃センター
pp.854-857
発行日 1991年12月15日
Published Date 1991/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900480
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◆はじめに
最近,「地球にやさしい環境づくり」という言葉がよく聞かれる.地球上に住むすべての生物は,それぞれに適した環境がなければ,生き続けることができない.動物にも植物にも生存してゆくためにはきれいな水と空気が不可欠であり,あらゆるものの生命の源である.それでは,水や空気が汚れてしまったならどうなるのであろうか.今,人類は,冷静に考えてみなければならない時である.
科学や文化の発展に人類は夢を賭けてきた.長い間,研究と努力を重ね,人は素晴らしい技術を開発し,生活の中に取り入れてきた.反面,先進地といわれる各国において,「廃棄物の処理」という厄介な問題を抱えてしまった.そして,先進国のみならず,これから発展しようとしている国々まで,巻添えにしようとしている.
人間の欲望は,留まるところを知らない.さらに便利なことを求め続ける.昔,月の世界に足を踏み入れることができたのは,漫画の世界の中でしかなかった.しかし,人類は漫画の世界を現実のものにした.現代社会において,「人間の頭の中で想像したり考えたりしていることの多くは,10年度に実現可能」と,何かの本で読んだ記憶がある.それだけ,自然科学分野の基礎研究が進んだということであろう.
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