特集 トータルヘルスプロモーションの実践
THPのノウハウ—生活指導
大本 美彌子
1
Miyako OMOTO
1
1東邦大学医学部衛生学
pp.387-391
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900358
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トータルヘルスプロモーションプラン(THPP)は労働省が打ち出した施策ではあるが,人のトータルな健康アップを目指したプランであるから,すべての人の,個々の,一生を通じての身体的,精神的,社会的に均衡のとれた,そして職域に限らず生活全体をも包含した,統合的視点をもっての健康のレベルアッププランと考えるのが妥当であろう.
人の健康は,加齢の諸段階において受ける保健行政の保護を受けながらも(図1),個々に異なる直接的環境の影響により支配されているので,地域社会においては個々人の職種の違いと個人特性が地域集団内における個人差を生み,職域においては個々人の居住地域特性と個人の特性が職域集団内における個人差を生ずる.職域環境が劣悪であれば居住地域等による個人差は不顕性となり,地域社会環境が劣悪であれば職種による個人差は気付かれ難い.さらにこのいずれの環境によるものでもない個人特性による差は,一層見過ごされやすい.また集団対策の必要な場合は,個人差を生ずる属性にまでは対応が及び難い.
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