活動レポート
地域を動かした保健所調査研究—兵庫県鉢伏高原の生活排水処理対策
小亀 正昭
1
,
橋本 幹也
2
,
楠田 正勝
2
,
久木田 正行
2
Masaaki KOGAME
1
,
Mikiya HASHIMOTO
2
,
Masakatsu KUSUDA
2
,
Masayuki KUKITA
2
1兵庫県和田山保健所
2兵庫県和田山衛生課
pp.265-268
発行日 1991年4月15日
Published Date 1991/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900323
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●はじめに
兵庫県の北部に位置する鉢伏高原は,昭和30年代からスキー場としての開発が進み,近年は夏期の林間学校,キャンプ,テニス等による利用が増加し,年間入山客60万人を越える四季型観光地として発展している.しかし,観光客の増加にともなう宿泊施設の大規模化で,生活雑排水による河川の汚濁や開発による森林の伐採が進み,現在進められようとしている「但馬リゾート化構想」のもとで,さらに魅力あるリゾート基地となるためには,豊かな自然環境の保全に配慮した地域の基盤整備が急務とされている.そこで,地域における生活排水処理対策の推進に資すべく,近年,汚れが目立ち始めた高原周辺地域を流れる八木川の水質について,その現状を把握するため,調査研究に取り組んだ.
約1年にわたる水質調査の結果を取りまとめた調査報告書を作成し,保健所から各方面に対して生活排水処理施設の整備実現に向けての働きかけを行ったところ,地域住民をはじめ関宮町議会,関宮町行政など多くの機関や団体を動かし,わずか1年のうちに施設整備に向けての大きな展開をみた.
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