連載 疾病対策の構造
廃棄物への対応—生活排水
片山 徹
1,2
1財団法人日本環境整備教育センター
2財団法人産業廃棄物処理事業振興財団
pp.502-506
発行日 1995年7月15日
Published Date 1995/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901310
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1.生活排水—今や水質汚濁の主因
最近のわが国の水質汚濁の状況をみると,健康項目についてはほぼ環境基準を満たしているが,生活環境項目のうちBOD,CODについては,約4分の1の水域において環境基準が達成していない.特に湖沼,内湾,都市内の中小河川の達成率が低い状況にある.その原因を調べてみると,生活排水が大きくクローズアップしてくる.工場排水については1960年代をピークとして水質汚濁の主因となっていたが,70年代の水質汚濁防止法の制定などにより改善されてきた.まだ問題は残っているものの,今や生活排水対策をぬきにしては,水質汚濁の真の改善は望めない.
ちなみに湖沼法の指定湖沼である霞ケ浦と手賀沼ではその汚濁の発生源として生活排水の占める割合が高いことがわかる(図1).
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