特集 骨粗鬆症の予防
老人保健と骨粗鬆症
能勢 隆之
1
,
大城 等
1
,
中村 達彦
2
,
山本 吉蔵
2
Takayuki NOSE
1
,
Hitoshi OHSHIRO
1
,
Tatsuhiko NAKAMURA
2
,
Kichizo YAMAMOTO
2
1鳥取大学医学部公衆衛生学教室
2鳥取大学医学部整形外科学教室
pp.4-6
発行日 1991年1月15日
Published Date 1991/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900250
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
◆はじめに
平均寿命の延長により,高齢化社会が進展している.これを長寿社会に発展させるためには,老化によって起こる疾病(骨相鬆症など)の予防のみでなく,ポジティブ・ヘルスの考えを入れた健康増進に重点がおかれる必要がある.昭和元年〜昭和5年の間に生まれた現在の60歳の人の平均寿命は,出生当時は男45歳,女47歳であったので,すでに15〜20年長生きしていることになる.そのため,今まであまり問題にならなかった骨粗鬆症が老人保健上,重要な課題となり,今日ほど注目されたことはない.厚生省は,「寝たきり老人ゼロ作戦」と銘打って,今までの脳卒中対策等に加えて,新たに寝たきり原因の上位を占めている骨折等を引き起こす骨粗鬆症や転倒を予防するための対策を展開している.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.